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C型慢性肝炎とは・・・

気づかないうちにC型肝炎ウイルスに感染し、肝臓が慢性的に炎症を起こしている状態です。特有の自覚症状がほとんどありません。そのため放置しておくと徐々に進行し、やがて肝硬変・肝臓がんに移行する可能性が高くなります。これがC型肝炎の最も怖いところです。現在、わが国には、C型慢性肝炎の患者様、あるいは本人も気づいていない持続感染者(キャリア)は200万人いると推測され、21世紀の国民病とまで言われています。

C型慢性肝炎の経過

健康な肝臓から肝がんになるまでのイラスト(日本肝臓学会ポスターより)C型肝炎ウイルスに感染すると、70%の割合で慢性肝炎になります。また、感染から10~30年で肝硬変になり、その後、肝臓がんが発生します。

肝臓がんの死亡者数とその特徴

肝がん死亡者数の推移図


肝臓がんの原因の割合図

肝臓がんによる死亡者数は急増中

日本人の死亡原因の1位はがんですが、中でも肝臓がんの死亡者数は急増し、1975年以降と比べると約3倍に増えて、年間3万人を超え、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで第4位を占めるに至っています。

肝臓がんの原因の80%は
C型慢性肝炎

肝臓がんの約80%は肝硬変を合併しています。従って、肝硬変を予防できれば、肝臓がんの予防につながると考えられます。肝硬変は、肝炎が長い間続き、慢性肝炎が進行して起こってきます。肝臓がんの80%にC型肝炎ウイルスの感染がみられることから、肝臓がんの予防にはC型慢性肝炎の治療が非常に重要であると言えます。


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C型慢性肝炎の診断

C型肝炎に感染しているかどうかは、採血だけの簡単な検査でわかります。肝機能検査「AST(GOT)値、ALT(GPT)値」の異常が6ヶ月以上続き、かつ血液中のC型肝炎ウイルスの抗体(HCV抗体)が陽性のときに、C型慢性肝炎と診断されます。

C型慢性肝炎の治療

原因療法と対症療法

C型慢性肝炎の薬物治療は、目的によって大きく二つに分けられます。ひとつはC型肝炎ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指すインターフェロン療法(原因療法)と、もうひとつは肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ肝庇護療法(対症療法)があります。

原因療法:治療の基本はウイルスの増殖を抑える働きを持つインターフェロンです。いくつかの種類がありますが、いずれも注射剤です。最近では週1回の注射で優れた効果を示すペグインターフェロンという新しい製剤も登場しています。リバビリンは単独で使用しても効果がありませんが、インターフェロン、ペグインターフェロンとの併用でウイルス排除効果を飛躍的に高める内服薬です。

対症療法:ウイルスを体内から排除する効果はありませんので肝炎の沈静化を目的とし、肝機能〔AST(GOT)とALT(GPT)〕を改善します。グリチルリチン配合剤(注射薬)またはウルソデオキシコール酸(内服薬)が主に使用されます。

治療法 主な薬剤
原因療法 C型肝炎ウイルスを排除して完全治癒を目的とします
  • インターフェロン(注射) 週3回投与
  • ペグインターフェロン(注射) 週1回投与
  • リバビリン(内服:インターフェロンと併用で用いる)
対症療法
(肝庇護療法)
肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ
  • グリチルリチン配合剤(注射)
  • ウルソデオキシコール酸(内服)

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治療法の選択

ウイルスの量や遺伝子型で治療法を選択!

C型慢性肝炎と診断された患者様には、原則としてまずC型肝炎ウイルスの排除を目指してインターフェロンを中心とした原因療法が行われます。その時にインターフェロンが効くかどうかはウイルスの量と遺伝子型が重要になってきます。C型肝炎ウイルスの遺伝子型(ジェノタイプ)は6種類のタイプに分類されますが、わが国では、1b型が70%と多く、2a型が約20%、2b型が約10%です。1b型はインターフェロンが効きにくいタイプ(難治性)であることがわかっています。よって、ウイルス量が多い人はインターフェロン・リバビリン併用療法、特に1b型でウイルス量の多い人にはペグインターフェロン・リバビリン併用療法がすすめられています。

インターフェロン療法で副作用が出る人あるいはインターフェロン(+リバビリン)療法が無効あるいは最初からインターフェロン(+リバビリン)の対象とならない人には対症療法(肝庇護療法)が選択されます。

C型慢性肝炎の初回治療法の図

C型慢性肝炎の再治療法の図

  • インターフェロン療法が適さない人:高齢者(70歳以上)、重い心臓病、重い腎臓病、甲状腺・肺を含む膠原病、インターフェロンに過敏症のある方など ⇒対症療法
  • 病状(肝炎・肝臓の繊維化)のある程度がごく軽く、患者様がインターフェロン療法を望まない場合はしばらく経過観察することもあります。

インターフェロン療法

インターフェロン治療効果の推移図インターフェロンの肝臓がん抑制効果

投与方法は製剤によって異なりますが、インターフェロンα製剤では最初の2~4週は毎日、その後は週3回のペースで筋肉内もしくは皮下注射します。インターフェロン治療で、ウイルスの完全消失と肝機能の改善が得られた人では未治療の人に比べて明らかに肝がんの発生率が低く、またウイルスの完全消失が得られなくても治療中肝機能が改善された場合は、肝硬変や肝がんへの進行が抑えられることがわかっています。


ペグインターフェロン・リバビリン併用療法

最新治療法!

従来のインターフェロンは週3回投与しますが、ペグインターフェロンは、インターフェロンにポリエチレングリコール(ペグ)という物質を結合させ、インターフェロンの血中濃度を長時間安定に維持し、週1回の注射(皮下注射)で優れた効果が得られるように作られた新しいインターフェロン製剤です。2004年12月に認可されたペグインターフェロン・リバビリン併用療法は現在のところ、ウイルス遺伝子型ジェノタイプ1b型でウイルス量の多い患者様にのみ用いられます。

インターフェロン単独療法が効きにくいジェノタイプ1b型でウイルス量の多い患者様にペグインターフェロン・リバビリン併用療法を48週間続けたところ、50~60%の患者様でウイルスが排除できました。従来のインターフェロン単独療法(2~5%)やインターフェロン・リバビリン併用療法(20~30%)に比べてはるかに高い効果が期待できます。

インターフェロン・リバビリンの副作用

インターフェロンの主な副作用は、インフルエンザ様の症状などです。ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法では、貧血が加わりますが、いずれも十分コントロールできます。何か異常に気付いた場合は必ず医師に相談するようにすれば、安心して治療を続けることができます。

肝機能の改善と肝がん発生の抑制

12か月毎の累積肝がん発生率の推移慢性肝炎から肝硬変、肝がんへの進行を阻止するには、インターフェロンを中心とした原因療法で肝炎を完全治癒させてしまうことが第一ですが、それが困難であれば、次に肝機能〔AST(GOT)、ALT(GPT)〕をできるだけ正常に近づけることを目指します。なぜなら、ウイルスが消失しなくても、肝機能を低く保つことで、肝がんの発生リスクを軽減できるという報告があるからです。

これはインターフェロン療法でウイルスが完全に排除できない場合やインターフェロンが使えないで対症療法(肝庇護療法)で治療する場合にもあてはまります。

肝臓がんの治療


▲ラジオ波熱凝固療法(RFA)

肝癌治療

当院では肝癌の治療として

  1. 外科手術の肝切除。
  2. カテーテルを用いた肝動脈塞栓療法および肝動注化学療法
  3. 超音波ガイド下に腫瘍を壊死させるための針を刺し、治療を行う
    • ラジオ波熱凝固療法(RFA)
    • マイクロ波凝固療法
    • エタノール注入療法

を行っています。ラジオ波熱凝固療法は、経皮的に腫瘍へ挿入した針型の電極にラジオ波)を発生させ、その発生した熱により腫瘍を壊死させる治療です。

まとめ

肝臓がんの予防にはC型慢性肝炎の早期発見・早期治療が不可欠であることが理解していただけましたでしょうか?

肝臓がんが発生した場合でも、早期発見できれば治療の選択の幅も広がってきます。特に最近注目を集めている新しい治療法「ラジオ波熱凝固療法」で、良好な成績が得られています。当院では、このように慢性肝炎から肝臓がんまで、集学的に治療を行うことを目指しています。

また、肝臓の病気や、治療法、日常生活の過ごし方などの疑問等でお困りの方のために、肝炎相談室を設けていますので、ご活用いたたければ幸いです。

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