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糖尿病診療のご案内(医療者向け)

糖尿病は、患者さんと医療従事者との認識の「ずれ」を最も来たしやすい疾患であると言えます。すなわち、日常生活の管理ができない、糖尿病の重大性をわかっていないなど、患者さんの理解不足が血糖コントロール不良の主な原因であると多くの医師は考えています。一方で、糖尿病の治療の過程で直面するストレスや不安などの心理的な問題によって自己管理が妨げられることもあるのに、医療従事者はそのことを分かってくれていないと患者さんは思っているのです(Global DAWN study)。
みどり病院集学的糖尿病ケアセンター(MIDCC)では、自由で健康的な日常生活を脅かすさまざまな合併症を未然に防止し、そのために必要な患者さんのセルフケアを動機づけることを最大の目標に、地域の医療ニーズに応じ以下のようなことを実践しています。

~血糖コントロールがうまくいかない理由は個々の患者さんで異なります~

インスリン分泌不全とインスリン抵抗性からなるインスリン作用不足が慢性高血糖をひきおこすのが糖尿病の本態であり、この慢性高血糖がインスリン分泌不全、インスリン抵抗性のさらなる増悪を招く、という「糖毒性」をほとんどの患者さんが獲得しています。このインスリン分泌低下と抵抗性の程度は、患者さんによって一様ではありません。インクレチン製剤を含めさまざまな経口薬が使用可能となった現在、個々のインスリン分泌能および抵抗性の病態を評価したうえで病態にあわせた治療薬の選択が可能となっています。

~血糖値さえ下がれば問題ない?? いいえ、膵臓の保護こそが糖尿病治療の目指すところです~

薬物治療開始時のHbA1cが高いほど治療後のHbA1cが高い状態で下げ止まることも知られています。高血糖そのものが膵β細胞機能を損なわせることがその理由です。現代社会において、理想的な食事や効果的な運動を継続的に実行してゆくことができる方はごく少数。食事・運動療法が実践できるまではなるべく薬剤を使わずに待つ、という従来の考え方に固執せず、たとえば早期より積極的な強化インスリン治療を行い糖毒性を解除することで、膵臓のインスリン分泌予備能を温存しつつ、良好な血糖コントロールを長期にわたり維持することができます。

~こんなときには~

劇症1型糖尿病のように内因性インスリン分泌が極度に枯渇しているような場合にはCSII(持続皮下インスリン注入療法)による治療も行います。腎不全や有痛性末梢神経障害などの合併症進展例、ステロイド糖尿病、妊娠糖尿病、肝硬変合併など診療所での管理が比較的困難なケースに関してもぜひご相談ください。

~患者さんが自己管理能力を高められるよう支援~

患者さんならびにご家族への指導、啓蒙を行うツールとして、

などを設けており、ご好評をいただいております。

~スタッフの連携と協力による一貫した患者サポート~

食事、運動、薬物を治療の3本柱とする糖尿病治療には、チーム医療の充実が欠かせません。糖尿病療養指導士を含む看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士などコメディカルスタッフはそれぞれの専門に従い診療にあたりますが、週1回カンファレンスを開催し、個々の患者さんについての治療方針の共有や意見交換を行いながら、互いの専門知識を高めあっています。また上記の教室やパス入院は、糖尿病診療に携わる医療スタッフで構成されるMIDCCを中心に企画、運営されており、患者さんにより良い療養サポートを提供することを目的に活動を行っています。私たちMIDCCは、これらの患者支援システムを当院のみならず地域の共有のリソースと捉え、さまざまなニーズにチーム一丸でお応えしてゆく所存です。

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